「麻と人類文化」第2号イーメイル速報版

「麻と人類文化」第2号イーメイル速報版

発行責任者弁護士丸井英弘
発行日1997年7月18日

目次

1。NHK大麻報道是正裁判の報告 丸井英弘・丸井英弘
2。原告準備書面2の内容      丸井英弘
 第1 原告らの権利について
 第2 「大麻汚染」や「麻薬」という表現を用いることの問題点
 第3 大麻の環境問題・食料問題・エネルギー問題における有用性
 第4 大麻を麻薬と呼ぶ根拠について
3。麻産業の重要性ー日本における環境問題・食料問題・エネルギー問題に対する今後の課題          丸井英弘
4。麻の種の有効利用        丸井英弘
5。静岡麻の家の活動報告 中山康直
あとがき 丸井英弘

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1。NHK大麻報道是正裁判の経過報告
1)NHK大麻報道是正裁判の第3回口頭弁論が、平成9年(1997年)4月11日午後1時15分から、東京地方裁判所民事40部合議係の担当で開か れました。
・裁判長の交代がありました。
・原告から、準備書面2と証拠として甲25~27号証を提出しました。
準備書面2の内容は、次のような項目です。

第1原告らの権利について、

第2「大麻汚染」や「麻薬」という表現を用いることの問題点、

第3大麻の環境問題・食料問題・エネルギー問題における有用性、

第4大麻を麻薬と呼ぶ根拠について
・NHK側から、準備書面2が提出されました。この内容は、原告の準備書面2に対する反論ですが、原告らには番組の訂正や慰謝料を求める権利はないという簡単なものです。原告の主張する「大麻汚染」や「麻薬」という表現を用いることの問題点、大麻の環境問題・食料問題・エネルギー問題における有用性、大麻を麻薬と呼ぶ根拠についてについては、具体的な反論はなにもありません。

 裁判は、本日で結審になり、次回の期日に判決が言い渡される予定です。次回の期日は、7月30日午後1時10分から東京地方裁判所の631号法廷で行われる予定です。 

 2)証拠として提出した甲27号証は、本年4月30日付け朝日新聞の大昭和製紙の広告記事です。
この広告記事は、麻の生育した様子を絵で紹介し、次のような説明がついています。今回のNHKの番組のように麻を「麻薬」と呼んだり、「大麻汚染」いう表現をする報道姿勢とはまったく異なっているもので、大変注目に値すると思います。
麻から芽生えた文化。「漉く」という過程を経た紙の製法は、中国前漢の時代(紀元先2世紀頃)に、すでに行われていました。主な原料は、当時の着物と同じ素材の麻。2000年以上も前に、紙は麻から作られていたのです。もっとすてきにこれからの歴史を描きたい。私たちは大昭和製紙です。
〔麻〕クワ科の1年草で、原産地は東アジア、中央アジアといわれている。茎から繊維をとり、実は食用とされる。

2。原告準備書面2の内容
第1。 原告らの権利について
1。原告らは、憲法第21条に基ずいて、表現の自由およびその前提である正確な情報を知る権利を有するものである。 
本件番組は、大麻について有益論があるのにもかかわらず、一方的に有害論の立場にたって報道したものであり、放送法第三条の二 一項三号「放送は真実を曲げないですること」、放送法第三条の二 一項四号「意見が対立している問題については、出来る限り多くの角度から論点を明らかにすること。」、及び放送法第一条二号「放送の不備不党・真実及び自律を保障すること」に違反している。さらに本件番組は、放送法第四四条一項三号「我が国の過去の優れた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにすること。」にも違反している。
従って、原告らは、民法710条・723条に基づいて、本件誓約書の提出を被告に求めているものである。

2。原告沼倉・藤井(被告のいう藤井弘光は、原告藤井のことである)・浅田は、被告との間で受信契約を締結している。
被告は、この受信契約によって、放送法に従って放送を行うことを受信契約者に約束したものである。
本件番組は、前述のように放送法に違反しているので、原告沼倉・藤井・浅田は、被告との受信契約に基づき、本件誓約書の提出を被告に求めているものである。

3。原告桂川・丸井・沢田は、次に述べる理由により放送法第4条1項に基づいて本件番組の訂正放送を求める権利を有するのものである。本件誓約書の交付は、この権利にも基づくものである。
1)原告桂川・丸井・沢田らは、被告に対して、1996年(平成8年)4月5日、本件番組が真実でない事項の放送をしているので放送法第4条1項に基づいて、本件番組の訂正を求める請求をした(甲第19号証)。
2)この請求に対して、被告は、同年4月10日報道局社会部副部長畠山博治と番組部チーフプロデューサー織田柳太郎の各名義で本件番組の訂正には応じない旨の回答があった(甲第20号証)。
3)原告桂川・丸井・沢田は、憲法第21条に基ずいて、表現の自由およびその前提である正確な情報を知る権利を有するものである。
さらに、原告桂川・丸井・沢田は、大麻の無害性と有益性を公に発表しており、この原告桂川直文・丸井英弘・沢田祐輔の大麻に対する見解は表現の自由さらに人格権として民事的にも保護されるべきである。

4。原告丸井に対する取材の際の合意違反
1)原告丸井は、本件番組の内容について、取材をうけた。その経過は、請求の趣旨の追加の第二のとおりである。この経過からすれば、被告は、右取材に際し、取材に当たった担当デレクターを通じて原告丸井に対して、「(大麻ー悪、犯罪)という型にはまった見方」や「通り一遍の紋切り型の認識で制作・取材にのぞむよりも幅のひろい見方のぞむ」ことおよびその前提として放送法を守ることを原告丸井に約束したと評価できるものである。
2)ところが、まさに本件番組は、原告丸井の見解を全く無視し、「(大麻ー悪、犯罪)という型にはまった見方」や「通り一遍の紋切り型の認識で制作」したものである。このことは、本件番組後に担当デレクターから次の文書からも明らかである。
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   丸井弁護士様
先日はお忙しい中お時間を割いていただき、ありがとうございました。
番組は予定通り3月27日にクローズアップ現代で「若者に広がる大麻汚染」(汚染の文字を入れることに私ー原文では渡しとなっているーは最後まで抵抗したのですが・・・)というタイトルで放送することができました。試写の段階で上層部と大分もめましたが、NHKにしては珍しい(?)”きわもの”の番組ができたと思います。
お約束通り番組のVTRをお送りいたします。先生のお立場から見た感想などお聞かせ下さればさいわいです。
   NHKディレクター  原 靖和             
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3)さらに本件番組は、前述のとおり、放送法にも違反している。
4)従って、原告丸井は、被告との取材に際しての合意に反する本件番組の放送に対して、民法第417条・722条に基づいて、本件番組の是正に必要な誓約書の交付や損害賠償を求めることができるものである。

第2 「大麻汚染」や「麻薬」という表現を用いることの問題点
1。「大麻汚染」という表現用語を用いた理由についての求釈明
被告は、答弁書(2)5頁で、本件番組の表題の一部に「大麻汚染」という用語が用いられたことは認めていながら、放送法違反の主張は争うとしている。
放送法違反の主張を争うのならば、なにゆえ、本件番組の表題の一部に大麻汚染という表現をしたのか、その理由を具体的に明らかにされたい。

2。被告ディレクター 原 靖和氏は、「マリファナ X」(第三書館発行)に書いてある原告丸井英弘の大麻に対する見解(甲第 号証)、を読んで原告に取材を申し込んできたのであるが、そこでは、訴状の26頁に書いてある大麻の有益性を紹介している。
大麻は、汚染と評価されるものではなく、逆に、現在地球の抱えている深刻な環境破壊と食料問題・エネルギー問題を解決する可能性があるものである(この点について、次項で補充する)。このような、有益な大麻を汚染と表現することは、視聴者に対して大麻に対し深刻な誤解を与えるものである。さらに、被告は次に述べるように、大麻を麻薬とまで呼んでいるのであるから、大麻に対する視聴者のイメージは、決定的に低くなったと推定されるのである。

3。被告は、本件番組では大麻のことを汚染とか麻薬と表現しているが、他方において、被告の発行する「男の食彩 NHKきょうの料理 1996年No.34 」65頁(甲23号証)で、大麻すなわち麻が中国では「五穀」の中に含まれていることを紹介し、その理由として「人間の生活に関係の深い重要な栽培作物という意味なのだろう。」といる阿辻哲次京都大学助教授の文章を掲載している。このように、被告は、大麻の人類に対する有用性を知っていながら、本件番組において大麻汚染という表現や大麻を麻薬と表現しているのであり、まさに意図的に大麻に対する偏見を視聴者に与えたものである。

第3 大麻の環境問題・食料問題・エネルギー問題における有用性
1。バイオマスエネルギーにおける麻の有用性
 人類が排出する温室効果ガスによる地球温暖化問題は、最も深刻な環境問題をいわれている。そして、温室効果ガスの中でCO2は最も大きな影響力を有しその排出量の7割以上は化石燃料の燃焼に起因すると考えられている。したがって、地球温暖化を抑止するためには、エネルギーシステムからのCO2排出量の大幅は削減が必要である。そして、バイオマスは生育過程においてCO2を吸収するので、燃焼に伴うCO2排出量はゼロとみなすことができるのである。
 バイオマスは、植物が光合成によって、太陽光と二酸化炭素から作り出したものであるが、植物が一年間に地球上で成長した量、すなわち一次生産量は、石油換算で約800億トンに相当し、全世界で消費しているエネルギーの約8倍に相当するといわれている。
 大麻は、その生育期間が約100日であり、他方木材の場合にはその生育期間が50年から100年(短期サイクルのハイブリッド・ポプラでもその生育期間は5年である)であるので、麻をバイオマスエネルギーとして使えば、木材よりはるかに有利にバイオマスとして利用できる。また、バイオマスのために植林をすれば、食料生産のための農地が減少することが考えられるが、大麻の場合には、その種が有用な食料源になるので、そのようなことはない。逆に、麻の生産は、バイオマスエネルギーと食料が同時に生産されるという有利さがある。

2。種・茎の有効利用と人類の健康・環境保全
 大麻の種に含まれている有用な成分の利用や茎に含まれているセルロースの有効利用は、人類の健康とゴミ問題の解決ためにも極めて大切である。

3。麻産業の活性化と雇用確保
 麻から生産をすることができる製品は、紙・建材・燃料・衣類・食料・医薬品など2万5000から5万にものぼるといわれている。麻産業の活性化は、農業の育成と雇用確保につながる。

第4 大麻を麻薬と呼ぶ根拠について
1。被告は、答弁書(2)5頁で、本件番組においては、麻薬という用語が三回もちいられているが、これは法禁制の薬理作用をもつ物質の一般的呼称として「麻薬」という用語を用いたにすぎない、と主張している。
このような被告の見解は、まさに放送法に違反しているものである。
法禁制の薬理作用をもつ物質の一般的呼称として「麻薬」という用語をもちいることは、全く不適切である。とくに、大麻は人類にとって重要な栽培食物であるアサのことであり、この麻の栽培・所持などが大麻取締法によって、許可制にされているにすぎない。日本の場合1万年以上前の縄文時代から自由に栽培・使用されてきた大麻を法禁制の薬理作用をもつ物質の一般的呼称として「麻薬」という用語で呼ぶことは、放送法に違反するものである。
 現に、被告は、前述のように自ら発行する「男の食彩」で大麻すなわち麻が人間の生活に深い重要な栽培作物であろうという学者の見解を紹介しているのであるから、そのように重要な栽培作物である麻をあえて「麻薬」と表現したり「大麻汚染」と表現したことは、視聴者に大麻が人類に有害なものであるという大麻に対する大きな誤解と偏見を与えたものである。

2。大麻は薬理作用の上でも麻薬ではない。

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  大麻が薬理作用の上でも麻薬ではないことは、医学博士の小林司氏が「心にはたらく薬たち」(甲9号証)の3頁のまえがきで、「大麻(マリファナ)が麻薬だと誤解している人も多い。こんな人たちの疑問に答えたいと思って、私はこの本を書いた。」で指摘されているとおりである。
この見解は医学者の常識であり、「マリファナ」レスター・グリンスプーン、ジェームズ・バカラー著 青土社発行(甲24号証)の帯では、次の様にこの本(以下本書という)を紹介している。
 「それでも マリファナは麻薬なのか?  医師としての厳正な目でマリファナの薬理を分析し、マリファナが安全な鎮吐・鎮静剤であり、ガン治療の副作用の緩和、緑内障の進行の抑止、アトピー性皮膚炎の治療などに著しい効果の認められる優れた医薬であることを実証して、その豊かな可能性を告げる、衝撃のドキュメント。」
そして、著者のグリンスプーン医学博士は本書のまえがきで次のように述べている。
「一九六七年にマリファナの研究に手を染めたとき、マリファナが有害な麻薬であって、多くの愚かな若者たちがその害にたいする警告に耳を傾けようとしない、あるいは、それを理解できないでいるのは不幸なことであるという考え方について、私はいささかの疑念ももちあわせていなかった。私は、科学や薬学の専門家の文献や、そうした専門知識をもちあわせていない人たちの手になった文献を詳しく調べていったのだが、三年も経たないうちに私の考えは変わりはじめた。アメリカに住んでいる多くの人たちと同じように、私もまた洗脳されていたのだという事実を理解するにいたったのである」
 本書は1993年にYale University Pressより出版された「Marihuana, theForbidden Medicine」の翻訳書である。本書はマリファナすなわち「大麻の薬効」について書かれたものであり、その歴史や、大麻を使った場合の利益と危険の比較考量、医薬品としての過去と、将来についての可能性を、患者や医師の体験談を交えながら詳しく説明している。
 著者の医学博士レスター・グリンスプーン氏は、ハーバード医科大学精神医学科准教授であり、マリファナ研究の第一人者として広く知られている。特に1971年に出版された著書「マリファナ再考 (Marihuana Reconsidered)」は全米でベストセラーを記録し、マリファナの医学的、精神学的、社会的、人類学的要素、そして法律的な側面をとらえた最も権威のある研究であると高い評価を得ている。1977年に改訂され後、本書の出版に続いて1994年に第三版が出ている。
一方のジェームズ・バカラー氏もまた、ハーバード医科大学精神医学科の教師であり、「ハーバード・メンタル・ヘルス・レター」編集委員を務めている。グリンスプーン氏とともにマリファナをはじめとする「精神変容ドラッグ」の研究に従事しており、二人の共著には「サイケデリック・ドラッグ再考(Psychedelic Drugs Reconsidered)」、「コカインとその社会的変遷(Cocaine: A Drug andIts Social Evolution)」、「「自由社会におけるドラッグ管理(Drug Control in a Free Society)」などがある。

3。大麻は、法律上の定義からしても、麻薬ではない。
 大麻は、大麻取締法によって、その取扱が免許制になっているが、大麻取締法の1条では、〔大麻の定義〕として、『この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス、サティバ、エル)およびその製品をいう。但し、大麻草の成熟した茎およびその製品(樹脂を除く)を除く。』と規定しており、麻薬ではないことは明らかである。さらに、麻薬および向精神薬取締法第2条の麻薬の定義からしても、大麻は麻薬ではない。

3。麻産業の重要性ー日本における環境問題・食料問題・エネルギー問題に対する今後の課題
 環境循環型で自給自足を目指した経済・エネルギー政策の確立が必要である。そのためには、現在の環境破壊型の産業構造を転換する必要がある。
具体的には、農業・漁業・林業など自然生態系に即した産業の現代的回復が必要である。その中で紙・建材・生分解性のプラスチック・食料・エネルギー・医薬品などを生産できる麻産業の果たす役割は、極めて大きい。
日本では例えば、製紙会社は木材パルプから紙を生産しているが、その既存の技術と設備を生かして麻パルプから紙を生産することが可能である。また、生分解性のプラスチックをつくる技術と設備を既に日本の企業は有していると思われる。このように日本企業の有する技術と設備を生かしながら、麻産業を日本に現代的に復活をすることが可能である。
 
4。麻の種の有効利用
麻の有効利用のなかで極めて注目すべきものが、種の有効利用である。この種の有効利用については、日本ではほとんど注目されていないが、医療用・食用・燃料用など多目的に利用することができるので、今後その有効利用について調査・研究・開発をする価値が大いにあると思われる。

1)麻の種の成分の分析
(オランダ アムステルダムにあるGREEN LANDS という麻製品を取り扱っている店が発行している資料に基づいてまとめました。この資料は、ハンガリーのブタペスト大学の調査を参考にしています。)

蛋白質 約23%
油分  34% (この油分には、人間にとって必要な必須脂肪酸であるオメガ6とオメガ3が含まれている。)
繊維質 20%

栄養素としては
ビタミンB1.2.3.6,E,C
カルシウム

2)用途
・種は、中国では5穀の一つに数えられているように、有用な食料である。
・種に含まれる油分は燃料になる。
・種に含まれる油分は、皮膚の健康によく、アトピー性皮膚炎や火傷、花粉症などにも有効といわれている。
また、種自体、便秘など胃腸薬として市販されている。


5。静岡麻の家の活動報告
『麻産業研究会』の方向性と可能性

                “麻の家からの報告”   中山康直
                  連絡先、電話・ファクス兼用                               0537-85-3103

 1997年、麻産業の調査・研究を担う『麻産業研究会』を発足させ、その実務を“麻の家”で対応しながら麻産業の現代的活性化を目指した活動がスタートしました。諸外国では地球規模での環境の悪化から農業的に産業レベルで麻の栽培がすでに始まっています。日本でも環境の問題は例外ではなく、様々な弊害が現われており、人々の健康や次世代の生存基盤まで脅かしつつあります。麻産業研究会でも本年度より産業用として、合法的に麻の栽培を開始しました。麻の栽培及び麻製品の環境に有用な性質はもはや明白であり、伝統的な麻産業の歴史を有する日本の役割は極めて大きく、必要以上の経済成長で打撃を与えた環境の修復、つまり、ビオトープの役割も加えて、麻産業の現代的復活は急務といえます。また、麻産業研究会では麻の持つ有用性を生かした21世紀の産業づくりを軸にあらゆる可能性を模索しながら調査、研究を同時にすすめ将来的には循環構造の調和型社会の構築に貢献できるよう様々な専門チームと協力し幅広く活動していきたいと考えています。

1。麻製品の研究・開発
・木材パルプから非木材パルプヘの原材料の転換
『非木材パルプである鷹パルプの役割は森林保護の観点からも極めて有益』
◎麻パルプから加工できる製品
★紙★建材★バイオプラスチック★バイオマス燃料★その他

・化学繊維の依存から天然繊維への転換
『麻繊維のような天然繊維への転換は化学繊維製品依存型からの脱却につながり健康や環境の修復に有益』
◎麻繊維から加工できる製品
★衣料★生活用品.★その他繊維製品全般
◎石油系の油製品から天然油を利用した製品への転換
『天然油である麻の予油は有限な資源である石油の大量消費を緩和する意味でも極めて有益』
◎麻の油から加工できる製品
★食料、食用油★潤滑油★燃料★石鹸、洗剤★マッサージオイル、サングリーム★その他の油
 麻からできる具体的製品は笑に25000以上といわれており、様々なパルプ製品、繊維製品、油製品が製造できます。麻産業研究会では上記のような製品の製造可能な事実を諸外国の調査やデーターからすでに把握しています。このような製品の活性化は企業などの既存の製品製造技術を生かし、原材料を転換することによって対応可能となります。従いまして、製造に携わる関連機関への情報提供を含めた麻製品の共同開発も目指していきたいと考えています。また、日本には伝統的な麻製品や麻の有効利用方法があります。これらの伝統的な技術を受け継いでいる団体などとも提携し現代的麻産業の活性化に向けてサポートし合いながら立体的に活動していきたいと考えています。

2。麻の持つ波動効果を利用した麻健康製品の研究・開発
 麻は古来より邪気をはらうといわれ神聖なものとされてきました。このことを現代的に解釈すれば環境や健康にやさしい性質からもわかるように有害物質や酸化した磁場を中和ないしは調整する性質があるといえます
 麻産業研究会では、これと同じく、伝統的な「麻の葉模様」の幾何学的な波動効果にも注目しており、これらの波動的特性を生かした新しい時代に相応しい精神的文化を考慮した麻健康製品の開発も進めていきます。
◎麻健康製品
★リラクゼーション製品★ピーリング製品★マクロビオティック的な自然食★その他

3。自然農法に基づく21世紀型の栽培方法の研究
地球温暖化による砂漠化や環境悪化にともない、より循環的に効率よく栽培する方法の研究や麻特有の土壌を改良する特性を生かした栽培方法の研究も実践していきたいと考えています。また、現在、農業で実践されているEM農法、ハイポニカ農法、植物波農法などの既存の自然農法による栽培方法も研究の対象になりますし、他の農作物との連作の利点なども調査、研究していきます。尚、低THC品種の開発や、すでに抵THC品種を開発している諸外国の調査をし、THC濃度の低い品種の栽培をこれまで以上に目指していきたいと考えています。

4。麻の家の活動
 麻産業研究会の調査・研究・開発のノウハウを生かし、麻の家ではギャラリーやワークショップのような要素をもった情報発信基地として麻製品などの普及に貢献していきたいと考えています。
 活動方針としては「衣・食・住」に「芸術」や「精神世界」などを含めた“生活”ということを総合的にとらえ、環境や物、人にやさしいスピリチュアルなスペース造りを目指し、共同創造的な基盤を構築できるように努めていきます。

5。麻産業研究会の活動
★製造技術を有する企業や専門チームと協力
 *情報交換*共同開発

★伝統的な麻産業団体との提携
 *伝統的な技術や製法の研究*情報交換*共同開発
★諸外国の麻産業の調査
 *情報交換*文化の交流
★各種麻健康製品の開発
★自然農法に基づく栽培方法の研究
★低THC品種の開発 
★麻の家の活動の活性化
 *一般に向けた情報提供*麻製品の普及*麻アートなどの芸術性の追及
★各種イベントの企画
 *情報交換会や講演会*調査旅行*麻アートギャラリー*フリーマーケットや展示即売会
★行政機関との協力

 以上のような麻産業研究会の活動をベースに全国的に展開されていくであろう麻の家の役割をネットワーク的に展開していき21世紀に向けた調和的な産業体系を見据え、より自由に、より芸術的に融合した社会の建設に貢献できるような活動を目指します。

究極的には、個にして全である『麻の葉模様社会』という夢の社会を実現していきます!!
  あとがき(丸井英弘)
1。私は、1974年4月に弁護士登録をして弁護士としての活動を開始しました。弁護士になった動機は、人権の保障と環境問題に対して、法的側面から貢献したいというものでした。
 大麻取締法違反事件を始めて受任したのは、弁護士2年目の1975年の5月です。当時私は、大麻と麻が同じ植物であることもしらず、また大麻の作用がどのようなものであるのかよくわからなかったのですが、大麻の所持自体は、たとえば酒やニコチン煙草の所持と同様なプライベートなことであり、それ自体自由であり、刑事罰で規制することは憲法13条の幸福追及権や14条の平等権に反すると考えていました。それ以降現在までの22年間に事件数にして150件以上の大麻取締法違反事件を担当したが、私は一貫して、大麻を刑事罰で規制することの不合理性を訴えてきました。
 私は、弁護活動を通じ、また1980年2月には、オランダのアムステルダムで開催された第一回大麻解禁国際会議に参加をして諸外国の研究者達の報告を聞いたり、現実に大麻の個人使用が認められているオランダの実情を見聞して、大麻取締法は個人の趣味嗜好、思想良心の自由の根底にある意識変容の自由を規制するものであると確信しました。特に、大麻が縄文の古代から日本人に親しまれてきた麻のことであり、また昭和27年までインド大麻草が薬局方に喘息や不眠症の薬として収載されていたこと、さらには、麻から紙ができ正倉院には麻の紙に書かれた1000年以上まえの仏典が残っていること、そして第2次大戦前の様に日本全国で麻の栽培を復活すれば、熱帯林を輸入する必要性もなくなり、人類にとって貴重な森を守ることができる事を知り、大麻締法の廃止が私の弁護士としての基本的な任務だと確信するに至りました。そして、現在最も大切なことは、大麻についての正確な情報の提供だろうと思います。しかしながら、NHKを始めとしてマスコミは、大麻について誤解や偏見を与える報道をしています。私がNHKに対して大麻報道の是正を求める裁判を起こしたのは、大麻について誤解や偏見をあたえる情報を是正し、大麻すなわち麻の有効利用を促進したいからです。
2。環境問題・エネルギー問題などを解決する力が大麻すなわち麻にはあると思われます。麻の有効利用を産業として促進することが急務と思われます。この点、麻の茎と種を有効利用するということで、本年3月31日に静岡県で麻製品の販売をしている中山さんが静岡県知事から大麻の栽培免許を取得しましたが、この免許の取得は、日本において麻産業を現代的に復活する極めて重要な契機であろうと思います。
3。NHK大麻報道是正裁判の訴状、昭和12年に栃木県にすむ新里氏と長谷川氏によって作成された「大麻の研究」の一部そして「法学セミナー」にのった私の論文などを掲載した資料集「大麻とは何か?大麻取締法を問う」を販売しています。森林の保護の観点から、表紙は麻・コウゾ・ミツマタからつくった和紙で制作し、中味はケフナという非木材紙を使っています。
A4版56頁で定価は3600円です。ご希望の方は、次の口座に送金をしたうえで、その送金票を0423-26-0102までファクスをしていただければ幸いです。
太平信用金庫国分寺支店 口座名 武蔵野共同法律事務所 丸井英弘 口座番号 普通預金 0962773            


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「麻と人類文化」第2号イーメイル速報版
発行責任者 弁護士丸井英弘
発行所 武蔵野共同法律事務所
185 国分寺市南町3-18-8 第1中央ビル4階
電話0423-25-1224  ファクス0423-26-0102